September 2006

September 26, 2006

ゴスペル関係各賞における部門の細分化

Gospel Soup (16)
 
 ゴスペル関係各賞における部門の細分化

 いやあ、驚きました。って、私が知らなかっただけなんでしょうか。

 グラミー賞(Grammy Awards)の中に、ゴスペル部門があるのはもちろん知っていたのですが、その中の各部門賞ついてのこと。

 かつてチェックした時は、6部門に分かれていたのですがが、先日Richard Smallwoodの受賞歴をチェックするために、グラミー賞のオフィシャルページをみていたら、2005年に賞が1つ増え、ややっ!2006年にさらにまた1つ増えて、計8部門!になってました。
 http://www.grammy.com/GRAMMY_Awards/Annual_Show/48_nominees.aspx#11

Grammy賞 GOSPEL (2006年)
(1)最優秀ゴスペル・パフォーマンス賞(2005年に新設)
(2)最優秀ゴスペル・ソング賞 (2006年に新設)
(3)最優秀ロック・ゴスペル・アルバム賞
(4)最優秀ポップ/コンテンポラリー・ゴスペル・アルバム賞
(5)最優秀サザン・カントリー・ブルーグラス・ゴスペル・アルバム賞
(6)最優秀トラディショナル・ソウル・ゴスペル・アルバム賞
(7)最優秀コンテンポラリー・ソウル・ゴスペル・アルバム賞
(8)最優秀ゴスペル・クワイヤ/コーラス・アルバム賞

 いやあ、賞が増えたんだな〜と、ぼんやり思いながら、あれれ?それならゴスペル専門のダヴ(ドゥヴ)賞(Dove Awards)とステラー賞(Stellar Awards)は、いったい何部門に分かれているのだろう♪と調べはじめたら、ギョギョギョ!知らなかった〜!続きを読む

September 21, 2006

Gospel Awards2006

Gospel Soup (15) Gospel Awards 2006 

 9月18日(祝)、大阪森ノ宮ピロティーホールで開催された、Gospel Awards 2006を、見に行った。(出演したわけではない)

 今年は開催4回目の大イベント。特別審査員に亀渕友香さんがいらっしゃり、フレッシャー部門(17組)・エキスパート部門(9組)の、計26組のグループが、舞台発表を行うコンテスト形式。なんてったって26組の大人数!!こんなにたくさんのクワイヤの熱演を、一時に見られる機会なんて、めったにあるものではない。

 感動も、感想も山ほどあるのだが、特に心に残った一つのクワイヤについて書かせていただくことにする。

 昨年度最優秀賞を受賞して、今年ゲストとして招かれた
Blessing Church International
 構成員は日本在住なのだけど、お名前から判断して、韓国・台湾系などアジア出身がほとんど。出演メンバーは11名だが、通常は60人ほどの所帯らしい。

 私は、昨年初めてこのクワイヤの演奏を聴いて、そのサウンドの魅力に惹かれ、このAwardの場で、彼らの音楽をもう一度聴くのを、1年間それはそれはず〜と楽しみに待っていたのである。
 くどいけど、ず〜っと心待ちにしていたのである
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September 18, 2006

リチャード・スモールウッド(Richard Smallwoodの素顔)

Gospel Soup (14) Total Praise 徹底解剖 その3

リチャード・スモールウッド(Richard Smallwood) ゴスペル人物伝

 Total Praiseについて書いたついでに、作詞・作曲者のリチャード・スモールウッドについてまとめてみよう。
 日本のゴスペルファンからは、リチャスモと名前を略されるゴスペル界の大御所。うーん。スモールウッドという名前を日本語に訳すと小木さん⇒小森さんだな〜(苗字まで訳すな〜)。
 そんなこんなで、顔を見ていると妙に「リチャード・小森」という感じがする彼の素顔を追及
Memorable Moments


 まずはオフィシャルホームページ http://www.richardsmallwood.comから概訳。

Richard Smallwood
 アメリカ・アトランタ生まれ。幼少期から神童ぶりを発揮。

 5歳の時には耳で聞いただけでピアノ演奏(おおっ)。7歳で正式にピアノを習い始め、11歳で彼の最初のゴスペルグループを組織!(11歳で〜??)

 通常は神童はハタチすぎたらただの人・・になりそうなものだが、彼はさにあらず、名門Howard大学の声楽科と、ピアノ科の両方の課程を修了し、卒業研究で民族音楽学までやったらしい。彼の音楽がクラッシックな香りがするのは、こうしたバックグラウンドによるもの。

 ゴスペルにシーンにおいて、様々な「初めての」をやりとげた「初モノ」男のようである。
 Howard大学キャンパス初のゴスペルグループを作り、ゴスペルグループとしては、スイスのモントルー・ジャズフェスティバルに初参加。The Richard Smallwood Singersは、初めて旧ソビエトに凱旋したゴスペルグループとなる。続きを読む

September 12, 2006

Total Praise 歌詞・対訳

Gospel Soup (13)   名曲 Total Praise徹底解剖(その2)歌詞・対訳

 9月9日付のゴスペルスープ(12)で、Total Praiseについての記事を書き、次回は、作者のRichard Smallwoodについて書くと予告していたのですが・・・!

「Total Praise の日本語訳詞も欲しかったな〜」(笑)という、コメントをいただきましたので、今回は予定を変更して、訳をお届けいたします。

 まず、タイトルのTotal Praiseですが、日本語には訳しづらいですね〜。直訳したら「全面的(トータル)讃美(プレイズ)」ですが、これだとあまりに色気がないというものでしょう。

  ギャル語で訳せば「ぜぇんぶ もぅ大好き!あなたってすごぉ〜い!」。
  演歌歌手風に訳せば、「あなたに命燃やして捧げます」とか?。
ちょっと違うような気もしますが(←だいぶ違うぞ)、お好きなニュアンスでお楽しみください。

 冗談はさておき、意味としては「自らの全身全霊で、すべてをあげて神を讃美します」というあたりでしょう。

 歌詞はいろんなサイトですでに訳されているようですが、かねがね、曲調とmineの文語調からして、日本語に訳す時も「文語調で意訳」したいなあ・・と思っていたので、以下、あえて古めかしい表現にしました。続きを読む

graceshinkai at 01:38|PermalinkComments(11)TrackBack(1)歌詞・訳 | Total Praise

September 09, 2006

名曲 Total Praise徹底解剖

Gospel Soup (12)  ゴスペル英語帳

名曲 Total Praise(トータル・プレイズ)徹底解剖  その1

Total Praise  
Persuaded: Live in D.C.


私が、もし好きなゴスペル曲の中でベスト10を選ぶとしたら、この曲もきっといれるでしょうね。短いクラシカルな賛美歌調の曲で、そのハーモニーの美しいこと!曲が徐々に盛り上がっていくと、歌詞そのままの壮大な風景映像が、スクリーンに映し出されるようなダイナミックさがあります。この曲を聴くたびに私は、曲のうねりに心奪われ、心拍数が高くなります。

 心拍数はともかく、この曲の歌詞の出典はあちこちで取り上げられているので、いばることはありませんが書いておきますね。

 旧約聖書 詩編 121:1-2
      I will lift up mine eyes unto the hills,
        from whence cometh my help.

     My help cometh from the LORD, which made heaven and earth.
      (King James Version Bible)
 
 ちなみに賛美歌301番/聖歌393番 も詩編の同じ箇所から採られています。
     「山べにむかいてわれ 目をあぐ 助けはいずかたより きたるか」

 神殿のあるエルサレムに向かって行く巡礼の旅の途中の歌ということになっています。
 
 さて歌詞の出典がわかって、すっきりさわやかになったところで、ここからいきなり、ゴスペル英語帳!!登場。

歌詞の冒頭
 Lord, I will lift mine eyes to the hills, のmineが問題なのであります。
 
 「あ〜っ!これ my eyesが間違って、mine eyesになってる〜。印刷ミスだな。書き直しておかなくっちゃ」と思われた方、たぶん、かなりいらっしゃると思うのですがっ!!

 「ちょっと待った〜!それは別に書き直さなくていいです!!」続きを読む

September 06, 2006

Sister Act 「天使にラブソングを」の原題を探る

Gospel Soup (11)  ゴスペル英語帳
 Sister Act 映画「天使にラブソングを」の原題を探る 

 曲のルーツ探検隊(隊員1名女性)は今日は眠いので、小ネタでブログ。
皆さますでにご存知のお話かもしれません。

 映画「天使にラブソングを」の原題はSister Act。「なんやそれだけかい」とおもわずつっこみを入れたくなるような極めてシンプルなタイトルです。

 英語でActは「行為」などいくつかの意味がありますが、新約聖書では「使徒言行録(使徒行伝)=the Acts of the Apostles」の項目のことを、the Actsとも呼びます。

 ですから、Sister Actを直訳するなら「修道女行伝」「尼僧言行録」あたりなわけで・・。でもこれじゃあ、別の系統の映画みたいになっちゃいますから、「天使にラブソングを」という邦題は秀逸だったのかもしれません。

 またSisterには、姉妹・修道女という意味の他に、『黒人女性』の意味もありますから、黒人女性(シスター)のウーピー・ゴールドバーグが、尼僧(シスター)になって大活躍というこの映画に、実はぴったりのタイトルだったんだなあとあらためて思います。続きを読む

September 01, 2006

In the Sanctuary のルーツを探れ

Gospel Soup (10) In the Sanctuary のルーツを探れ!

 曲のルーツ探検隊(隊員1名女性)は今日も行く。ずんずんずん。

今回は♪In the Sanctuary。この曲もコンテンポラリー・ゴスペルの大人気曲で、カート・カー(Kurt Carr)作。元気になるゴスペルの大横綱みたいな曲ですよね。
 One Church

 はてさて、歌の題名にもあるこのサンクチュアリ。
 多くのクワイヤでもよく歌われている曲らしいのに、なぜか知られてないこの歌詞のルーツ。元ネタはずはり、旧約聖書の詩篇にあります。

 サンクチュアリとは、辞書や聖書では「聖所」「聖域」と訳され,宗教的に重要な場所・聖なる場所を指したりします。特に旧約聖書時代には、神殿の構造として、中央にサンクチュアリ(聖所)がありました。でもこの歌の場合の、サンクチュアリとは→

 旧約聖書の詩編150と詩編134の「英文」を、あなたも私もさあチェック!

<詩編150>
 Praise the Lord! Praise God in His sanctuary
(神をほめたたえよ!神の聖所で、神をほめたたえよ。)

<詩編134.2>
 Lift up your hands in the sanctuary, and praise the Lord.
 (聖所に向かって手をあげ、主をたたえよ。) 新共同訳『聖書』より

 なんや〜歌詞そのまんまですね。
 
 またこの歌の中では、カート・カーがリードでセリフを挟みますが、中ほどのセリフ、
"Com'on, clap your hands, all ye people
And shout up to God with the voice of triumph"
は、同じく詩編の47.1
O clap your hands, all ye people;
shout unto God with the voice of triumph. (King James Version Bible)
のところから採ったものでしょう。

 この詩編の聖句は、旧約聖書の中のことだし、具体的な神殿のサンクチュアリ (聖所)のことを指しているはずですが、以前、亀渕友香さんがこの歌の日本語版を舞台で歌っていらっしゃる時、
 「私たちがこの歌を歌う、今、この場所が聖なる場所、サンクチュアリ!」と声をかけているのを聞いて、なるほどと思いました。教会でもどこでも、自分がゴスペルを歌えば、もうそこがサンクチュアリ。キッチンでも道路の真ん中でも、世界の中心でも(笑)・・というところだと思います。

 私は、個人的にサンクチュアリを「私たちを包む,聖なる神の愛の護りのシェルター」の ように,空間的?にとらえて歌ってましたが・・。
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