March 17, 2007

聖者の行進

Gospel Soup(45) ♪聖者の行進
 
 もうすぐ春分の日。おはぎの準備をしなくちゃのお彼岸でございます。
 春分秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽をおがんで、はるか彼方の極楽浄土に思いをはせ、祖先を思ったのが、お彼岸の始まりだとか。
 Louis Armstrong

 お彼岸に、お墓参りをなさる方もいらっしゃるのでしょうが、そんなジャパニーズお彼岸に歌いたい???♪聖者の行進(♪When The Sainst Go Marching In)

 ちょっと、強引すぎる展開 本当はお彼岸の歌じゃなくて、お葬式の歌でした。
  
 明るい心うきうきのジャズ定番。サッチモことルイ・アームストロングのヒット曲。「聖者の行進」というそのタイトルを聞いただけで、心躍るトランペットやバンドの音が響いてきそう。そしてもちろん元々これは、トラディショナルなゴスペルソングでもあります。
 
 それで、どうしてお彼岸のブログに聖者の行進かといえば、この歌がもともとはお葬式(の帰り)の歌だから・・というのは有名な話。ニューオーリンズ周辺では、「音楽葬/ジャズ葬(Jazz Funeral)」という慣習があり、葬送の行きでは悲しい音楽を、そして葬式の帰りには明るい曲をバンドが演奏しながら、街を練り歩くという風習があるんだそうで。いつごろからこの風習があるのか、今でもやっているみたいですが、私はニューオーリンズに行ったことがなくて、詳細は知らないままで、申し訳ございません。ちなみに、「わたる世間は鬼ばかり」の俳優、藤岡琢也さんが昨年亡くなった時も、ジャズ葬でした。
 
<ルイ・アームストロング ♪聖者の行進の映像↓>
 http://www.youtube.com/watch?v=NEoP34xU95o
 
 底抜けに明るいメロディーながら、歌詞をみると、お葬式の歌であるということが、よくわかります。そして何だか、日本のお盆やお彼岸ぽい香りもします。
 
 Saints(聖者)は、死んでしまって天国に行った人々のこと。日本でも亡くなった人のことを、ホトケになるという言い方をするでしょ。その聖者が行進していて、この世はつらいことがいっぱいあるから、お葬式の列をみていると、Lord, I want to be in that number 神よ、私もあの葬列の一員に加わって、自分のあの世(天国)に行きたくなるよ、という歌詞。
 
 死んだら天国に行って、この世の苦楽から開放されるというのは、いかにも黒人的で、天国で神と共に生きるというのはもちろんキリスト教の思想ですが、クララ・ウォードが歌ったバージョンだと、さらに

 I used have a mother (私にだって母親がいたのさ) 
 She's gone on before(もう、とうの昔に死んじまったけど)
 I promised I would meet her(私は約束したんだ、いつかまた会おうと)
 Over on the other shore Hallelujah(向こう岸の彼方で ハレルヤ)
 
 というのが入ってます。死者が、「川の向こう岸(彼岸)」にいます。
 はい!お彼岸お彼岸。川の彼方のご先祖様をに思いをはせて、はい!おはぎの準備〜!!
 
 いやいや、この歌に限らず、ゴスペルでは川:river(特にヨルダン川)や岸が出てくる歌、それはそれはいっぱいありますね。川の向こうに、約束の地(カナン)があったり、川を超えたらそこは天国、神様も死んじゃった人達もそこにいる。この世とあの世をわける境・結界としての川。
 川の向こうにあの世があるというのは、強引な私の頭の中では、三途の川もヨルダン川も一緒になってしまってます。
 
 私はなぜか昔から川が好きです。ミシシッピ川も、ナイル川もアムール川も見たことがありますよ。いつも向こう岸に何があるのかと、思いをはせながら、川を見てました。

 川のこちらはミズーリ州、渡ればイリノイ州。
 川のこちら東側はカイロ市内、渡って西側は死者の眠るギザのピラミッド。
 川のこちらはソビエト、渡れば中国。
 
 川そのものも好きですし、横たわる川が内包するイメージも好きなのかもしれません。なにせ川はあなどれない。すぐそこに向こう岸が見えてさえいても、流れや深みがあって、容易には渡ることができない♪Deep Riverだったりします。

 そして生死を分ける象徴として、洋の東西を問わず、川というものが人々の心の中に深々と横たわっているのを感じる時、宗教の違いを超えた人間としての共感さえ覚えます。
 
 というわけで、川の向こう岸に思いをはせるお彼岸の日に、
♪聖者が街にやってくる ♪When The Sainst Go Marching In

(歌詞は様々なバリエーションがあります)
 
 Oh, when the saints go marchin' in 聖者が行進していく時
 Oh, when the saints go marchin' in 聖者が行進していく時
 Lord I want to be in that number  神よ 私もその仲間にいれてください
 When the saints go marchin' in  聖者が行進していく時

 And when the sun begins to shine  そして太陽が輝き始める時
 And when the sun begins to shine  太陽が輝き始める時
 Lord, I want to be in that number 神よ 私もその仲間にいれてください
 When the sun begins to shine  太陽が輝き始める時

 Crown Him Lord of all すべての神である彼に王冠を捧げよう
 Crown Him Lord of all すべての神である彼に王冠を捧げよう


 余談ですけど、ロシア語で「河」のことを、スペルだと"река"とつづるのですが(pの表記はr音)、発音すると限りなくrikaという音に近くなります。モスクワ川ならМосква-река。Rikaというのは、私の名前。そうか、私が川が好きなのは、名前が川だったのねと思いながら、当時ソビエトだったロシアに旅行して、川をぼーっと見てたのは、う〜んもう20年近く前じゃありませんか。ああ、ついこの前のことみたいなのに

ルイ・アームストロング



graceshinkai at 10:37│Comments(10)TrackBack(0)ゴスペル歌の元ネタ大発掘!! 

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この記事へのコメント

1. Posted by ロン   March 17, 2007 14:35
グレース・しんかい様

ルイ・アームストロングは善いですよねぇ♪
我が家には彼のゴスペルアルバムがあります。
   ↓
Louis & The Good Book
(ルイと聖書)
http://www.amazon.com/Louis-Good-Book-Armstrong/dp/B00005CDME/ref=pd_bbs_sr_1/105-8507700-8178027?ie=UTF8&s=music&qid=1174109363&sr=1-1

あと天使版もあったりします。
   ↓
Louis and The Angels
http://www.amazon.com/Louis-Angels-Armstrong/dp/B00005CDMD/ref=sr_1_12/105-8507700-8178027?ie=UTF8&s=music&qid=1174108208&sr=8-12 
2. Posted by しんかい   March 17, 2007 16:47
ロン様
うひゃ〜!いつも、素晴らしい情報をありがとうございます。

>我が家には彼のゴスペルアルバムがあります。
>Louis & The Good Book (ルイと聖書)

>あと天使版もあったりします。
>Louis and The Angels

上記、どちらのアルバムも存在すら知らなかったので、今、米国Amazonでチェックしてきました。いやあ驚いたの何のって。1枚目は、本当にゴスペルばっかり!2枚目は本当に天使ばっかり!!!!アームストロングって、やっぱり天才で、何でも来いって感じですね。Ave Mariaまでこなしてしまうって、いったい!?すごい〜、とひたすら感嘆してしまいました。
3. Posted by Shogo   March 17, 2007 19:09
このルイ・アームストロングが、映画「五つの銅貨」(Five Pennies) の中で、ダニー・ケイ演じるレッド・ニコルス(実存した伝説的なトランペッター)と、この「聖者の行進」で、スキャットや替え歌なども交えて、粋で素晴らしいかけ合いを演じるのですが、残念ながら、YouTubeには映像がありませんでした。その代わりに、ルイとダニーと、子役の女の子が三人で歌うタイトル曲「五つの銅貨」をどうぞ!

http://www.youtube.com/watch?v=SI1Dmes4pi4 

4. Posted by machizou   March 17, 2007 20:19
ゴスペルを知らない人でも長く生きてりゃ一度は耳にしてるよね。
私のマザグレに入るきっかけは一期の発表会でアルトのYさんがソロで歌ってたのがこの「聖者の行進」でした。一番印象に残った。心に何か感じた!!
川つながりになるかどうかですけど、down by the riversideも好きです。
コンテンポラリーゴスペルもいいけど古き良き時代のゴスペルはスルメみたいに噛めばかむほど味があるね。
いや、聴けばきくほど味がある!
いつもしんかいさんには訳してもらったり、曲が出来た経緯を教えてもらったりで感謝してます。
影響を受けて図書館に行ってはゴスペル、ジャズの歴史本をみつけて勉強しています!?(借りてるだけね!)
5. Posted by しんかい   March 17, 2007 21:10
☆Shogo様
またまたまた!!これまた素晴らしいお話をありがとうございます。「五つの銅貨」見たことがありませんでしたが、これは絶対ビデオ屋さんでレンタルしなくては!!

>その代わりに、ルイとダニーと、子役の女の子が三人で歌うタイトル曲「五つの銅貨」をどうぞ!

映画中の聖者の行進も、もちろん聴いてみたいですが、いや、この映像↑だけでも、十分心温まりましたよ。3人がそれぞれ全く違う声質(サッチモの黒人ダミ声、ダニーの白人のソフトな声、子役の女の子のかわいらしい声)で、掛け合って歌うのが、絶妙な味わい、ほのぼの感を出していますね。きっと映画のストーリーもステキなんでしょう。ありがとうございました。
6. Posted by しんかい   March 17, 2007 21:22
☆machizou様
まいどでございます〜。いつもコメントありがとう。

>一期の発表会でアルトのYさんがソロで歌ってたのがこの「聖者の行進」でした。一番印象に残った。心に何か感じた!!

実はこれを、私は聴いてないんざんすよ〜。今度Yさんに、もういっぺんリクエストしてみようか。そうそう。Down by the riversideも好きですう。

>図書館に行ってはゴスペル、ジャズの歴史本をみつけて勉強しています!?(借りてるだけね!)。

おおお〜!!あそこの図書館、意外に音楽の本もあるよね。私も、色々借りてみましたが、結構、分厚い系の本があって、返却期限内に読み切れなかったりしました(笑)。
7. Posted by ひっき〜   March 19, 2007 09:48
なぜかワタシ、この歌を「クリスマスソング」だと思い込んでました。。。

きっと聖者が街にやってくる=賛美歌を歌う人たちがやってきて、歌ってくれる=賛美歌といえばクリスマス

というアホな連想です。。。
たぶん、小さい頃に何かのライブ(たとえば幼稚園に来てくれるブラスバンドさんとか)でクリスマスソングと共に聴いたから、いっしょくたに覚えたと思われます。。。

あーよかった。アホなカンチガイのまま覚えてるとこでしたー。ありがとうございます。

JAZZ葬も初めて知りました〜。
死んだら解放ってなんか分かるなぁ。
世の中には知らないことがいっぱいありますねぇ(しみじみ)

お彼岸におはぎも知らなかった〜。
読んでたら食べたくなりましたー(笑)

8. Posted by しんかい   March 19, 2007 12:14
☆ひっき〜様
お久しぶりです。こんにちは♪

>なぜかワタシ、この歌を「クリスマスソング」だと思い込んでました。。。

いえいえ。何せ楽しい曲ですし、日本発売の、クリスマスのオムニバスCDとか、クリスマスコンサートだと、聖者の行進が一緒に演奏されたりすることも多いですよね(笑)。

>お彼岸におはぎも知らなかった〜。
>読んでたら食べたくなりましたー(笑)

この季節スーパーでも、並んでますので、買ってみてくださいませ〜♪私はなにせ、田舎で祖母と一緒に育ったので、お彼岸1週間位前から、我が家では小豆がどうのこうのという会話が(笑)。ずっと「つぶあん」で作っていた祖母ですが、ある年からヨメの母が「こしあん」で作り始め、その後「こしあん」で定着しました。
9. Posted by Ayane   April 14, 2007 17:05
はじめまして☆
mixiの足あとから こちらのブログに辿りつきました
私もノン・クリスチャンのゴスペル歌いです(笑)
どうぞよろしくお願いします(^_^)

『聖者の行進』
先日 ジャズのライブで歌ったのですが
葬送の意味があったとは知りませんでした
・・・お恥ずかしい^_^;
とても勉強になりました
これから時々覗かせてもらいますね♪
10. Posted by しんかい   April 14, 2007 17:58
☆Ayane様

はじめまして!こちらのブログにおいでくださり、コメントまで残してくださり、ありがとうございます。とっても嬉しいです♪私もノンクリ・ゴスペルファンで、アルト担当です。

>葬送の意味があったとは知りませんでした

いえいえ、とっても楽しい歌ですし、普通にライブなどで歌ったり演奏される時は、現地の方でも?葬送のことなんて考えていらっしゃらいないかもです。

コメント、本当にありがとうございました。またお待ちしております。


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