ゴスペル歌の元ネタ大発掘!!

June 07, 2010

I Bid You Good Night (歌詞/訳)  〜僕は君に、永遠のおやすみを告げる〜

Gospel Soup (96) I Bid You Good Night (歌詞/訳)
 〜僕は君に、永遠のおやすみを告げる〜

この歌は、死んでしまった友人に対して「おやすみ」と告げる、追悼の歌だ。

人は死んだらどこへ行くのか、という根源的な問いに対して、この世には文化の数だけ、また残された人の数だけ、答え(ストーリー)はたくさんある。どれが正しいか云々ではなく、そのストーリーがあることで、人は心が慰められ、落ち着くこともある。

この歌もひとつのストーリーだ。



→訳とともに、続きの<おまけ映像>〜カエルのパペットが歌う♪I bid you good nightもみてくださいな。続きを読む

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October 06, 2009

Listen To The Rain 〜黒人霊歌♪Dindn't It Rain ?より〜

Gospel Soup (91)Listen To The Rain  〜黒人霊歌♪Dindn't It Rain ?より〜

 今日は雨。

 山田詠美の処女小説の「ベッドタイムアイズ」で、黒人のボーイフレンドが、主人公の女性を落ち着かせようと「静かに、ベイビー。雨の音を聴きなよ(リスントゥザレイン)」とベッドで言って、彼女をなだめるシーンがある。

 若い頃にこの本を読んで、私は「う〜ん。何てかっこいいセリフだ」とうっとりし、来るべき将来、男性からこういうセリフを言われるシチュエーション、もしくは言うシチュエーションに備えて、"Listen to the rain"ということばを、胸に深〜く刻み込んだものである
 
 しかし、実際のところ、そのようなセリフを言う(言われる)シチュエーションなど、まるでないままに、人生が過ぎて20年。そんなセリフも忘れかけていた頃、昨年のゲイリー・ハインズ氏のワークショップでの黒人霊歌に、偶然同じ歌詞があった。(ちなみに、今年2009年のゲイリー氏のワークショップは、もうすぐ大阪10/10(土)・名古屋11(日)・東京(日)です。インフォメーションはこちら
 
 Listen to the rain.

 歌の題名は♪(Oh my Lord) Did n't It Rain?

 ノアの箱船を題材にした有名な黒人霊歌だ。黒人霊歌のご多分にもれず、歌詞には色々なバージョンがあるようだが、ゲイリー氏の用意してくださった歌詞の一部に、 Listen to the rainというフレーズがあった。

 いや、冒頭のベッドタイムアイズとは、そういえば何の関係もないのだけれど。

 タイトルのDid n't It Rain?は、直訳すると「雨は降らなかったのかい?」「降ったんじゃないのかい?」となるが、どちらかと言えば反語的に、「いやあ、実によく降ったもんさ。ひどい雨だったなあ」というニュアンス。大人や老人が、子どもたちに、ノアの方舟のストーリーを、歌語りしているような歌詞だ。
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October 02, 2009

The Blessing Of Abraham(アブラハムの祝福)とその背景

Gospel Soup (90) ♪The Blessing Of Abraham(アブラハムの祝福)とその背景


 とても楽しいゴスペル曲。ドナルド・ローレンス(Donald Lawrence)と The Tri-City Singers (トライシティーシンガーズ)の、♪Blessing Of Abraham(ブレッシング・オブ・エイブラハム)。
 
 リンカーン大統領のファーストネームは、アブラハムだった。
 ♪アブラハムに〜は、7人の子。ひとりはのっぽであとはチビ。っていう手遊び歌をキャンプで歌ったことのある人は、少なからずいるだろう。でも、うーん、私たちにとって、アブラハムはなかなか遠い。
 
 気分高揚には最適なゴスペル曲で、♪ザ・ブレッシング・オブ・エ〜イブラハムと鼻歌で歌っていると、掃除もはかどる。でもそのそばから、エルサレムで、パレスチナ人デモ隊とイスラエル警察が衝突とかいうニュースが流れてくると、気持ちは複雑だ。

 アブラハムは、ユダヤ人のいわば始祖のような存在であり、イスラム教・キリスト教にとっても聖人。この歌は、ユダヤ人だけでなく、すべての人がいわばアブラハムの子孫であり、彼のような強い信仰を持って受け継げば、神はあなたを祝福して繁栄させてくださるという内容・・・なのだが、まずは映像と歌詞/和訳を。
 



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April 13, 2009

♪Alabaster Box :CeCe Winans 歌詞訳

Gospel Soup (86) ♪Alabaster Box (アラバスター・ボックス)
CeCe Winans 歌詞訳


 イースターの頃。満開の桜の薄曇りの乳白色は、CeCe Winansの最高傑作♪Alabaster Box(アラバスターの壺)の歌を思わせる。アラバスター(雪花石膏または、方解石)とは、ツヤのある白く美しい石。boxと書かれているが、この場合はjarと同じで、壺のこと。
 
 この歌も有名な新約聖書の逸話による。
マリア
(キリストの母のマリアではなく、ベタニアのマリア(時にマグダラのマリアと混同/同一視される)は、たぶん新約聖書における聖母マリアに次ぐ人気女性のナンバー2ではなかろうか。


 
 聖母マリアを「聖」の美しさとするならば、こちらのマリアはもともと「俗」に身をおいた情の深い色気のある美しさである。しかし彼女の「俗」も、彼女の純粋なイエスへの思いから、罪をゆるされ「聖」に転化する。
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March 07, 2009

♪This Little Light Of Mineの謎  黒人霊歌なのか違うのか?また2つの異なるメロディの系統はどこからきたか?

Gospel Soup (84) ♪This Little Light Of Mineの謎 

 ゴスペルの定番♪This little light of mine。アレンジも自由自在で、実に幅広く、聴くのも楽しい!歌うのも楽しい!あまりに有名な曲。iTunes storeなら150種類(シンガー)もの、この曲が売られている。「私のこの小さな灯を、光かがやかせよう」という歌詞も、とても心に響く大好きな歌。しかしこの歌のルーツはよく分かっていないことが多いのだ。

 今回の疑問は

 黒人霊歌なのか違うのか?
 また2つの異なるメロディの系統はどこからきたか?

 
 まずは、ごく一般的なアレンジはこちら↓。

 
 
 そしてよく我々が耳にするこの↑♪This little light of mine(♪ドッドッ・ドレッ・ファー・ラッララ・ラソッファ〜)の他に、もう一つの別な、まるで別曲のゆったりしたメロディーの♪This little 〜がある。


 
 一般にこの歌は日本では「黒人霊歌」と言われており、「19世紀に定着した」と書かれてある本もあれば、『深い河のかなたへ〜黒人霊歌とその背景』〜小川洋司著の中では、後者のゆったりしたほうの楽譜が掲載され、「ジョン・ワークの叙情味あふれた編曲が、合唱や独唱で親しまれている。」と書かれている。
 
 う〜ん?ちょっと待って。こっちのゆったりした方のメロディーは、クラシカルだなあ。CDだとたいていソロで歌われている。黒人霊歌にも、もちろん流れるようなメロディの歌はたくさんあるけど、リードシンガーのあとに、コーラスが続くという構成の、普通のあの普通の元気な♪ジスリトルのほうが、黒人っぽいんじゃないのだろうか・・・と当初、私は思ったのだ。続きを読む

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August 09, 2008

書籍『黒人霊歌は生きている』ウェルズ恵子

Gospel Soup (74) 書籍『黒人霊歌は生きている』ウェルズ恵子
 
 日本人だからこそ書けたという渾身の著作である。
黒人霊歌は生きている

 『黒人霊歌は生きている』〜歌詞で読むアメリカ〜 ウェルズ恵子 岩波書店 (2008年)
 
 
 




 今までも、日本で出版された本の中で、黒人霊歌についてまとめられた本としては『ニグロ・スピリチュアル』北村崇郎 みすず書房(2000年)の大部や、『深い河のかなたへ』〜黒人霊歌とその背景 小川洋司 音楽之友社(2001年)などがあり、大いに勉強させていただいたが、今回のウェルズ恵子さんの著作は、曖昧模糊として情報が錯綜した黒人霊歌、ゴスペル、ブルーズという大河や支流の水を、さらにかきわけかきわけ、黒人霊歌の源流へと遡上した本だ。続きを読む

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July 29, 2008

イズラエル・ホートン ♪You are goodの歌詞ルーツ

Gospel Soup (73)  イズラエル・ホートン ♪You are good

 お笑い番組を見終わった息子が、心から残念そうに「エド・はるみが、最近グーをいわなくなっちゃった」という。・・・そうか、この歌をアップするタイミングが遅かったか。。。久々にゴスペル歌詞のルーツ探検隊は行く。

♪You Are Good! (あなたはグ〜〜ッ)By Israel Houghton and New Breed
 
 youtubeの映像はこちら→http://jp.youtube.com/watch?v=fCpy1Bg255A
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March 17, 2007

聖者の行進

Gospel Soup(45) ♪聖者の行進
 
 もうすぐ春分の日。おはぎの準備をしなくちゃのお彼岸でございます。
 春分秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽をおがんで、はるか彼方の極楽浄土に思いをはせ、祖先を思ったのが、お彼岸の始まりだとか。
 Louis Armstrong

 お彼岸に、お墓参りをなさる方もいらっしゃるのでしょうが、そんなジャパニーズお彼岸に歌いたい???♪聖者の行進(♪When The Sainst Go Marching In)続きを読む

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October 23, 2006

Joe Pace ♪Shake the Foundation

Gospel Soup(21) Joe Paceの ♪Shake the Foundation


 なぞなぞです。

 「女性がお化粧をする時に歌いたくなるゴスペル・ソングはなんでしょう?」
 
  しーん もう今日のブログタイトルからして、答えはバレバレですね。
Joe pace
 それはJoe Pace(ジョー・ペイス)の♪Shake the Foundation(シェイク・ザ・ファウンデイション〜大地を揺るがせ)

 え?なぜかって、男性の方に解説すると、女性が顔につける肌色のリキッドファンデーション(液体タイプのおしろい)の容器の注意書きには、必ず書いてあるんですよ。
 
 「よく振ってから、お使いください
 ♪シェイク・ザ・ファンデ〜ション・イェ〜〜(笑)
  
  ・・さらに、しーん
  
 気を取り直して、本日のゴスペルのルーツ探検隊(隊員女性1名)は、Shake the Foundationのルーツ探検。まあ、あまりにノリノリで楽しくて、歌詞の意味なんてどうでもよくなってしまいそうな歌です。続きを読む

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September 01, 2006

In the Sanctuary のルーツを探れ

Gospel Soup (10) In the Sanctuary のルーツを探れ!

 曲のルーツ探検隊(隊員1名女性)は今日も行く。ずんずんずん。

今回は♪In the Sanctuary。この曲もコンテンポラリー・ゴスペルの大人気曲で、カート・カー(Kurt Carr)作。元気になるゴスペルの大横綱みたいな曲ですよね。
 One Church

 はてさて、歌の題名にもあるこのサンクチュアリ。
 多くのクワイヤでもよく歌われている曲らしいのに、なぜか知られてないこの歌詞のルーツ。元ネタはずはり、旧約聖書の詩篇にあります。

 サンクチュアリとは、辞書や聖書では「聖所」「聖域」と訳され,宗教的に重要な場所・聖なる場所を指したりします。特に旧約聖書時代には、神殿の構造として、中央にサンクチュアリ(聖所)がありました。でもこの歌の場合の、サンクチュアリとは→

 旧約聖書の詩編150と詩編134の「英文」を、あなたも私もさあチェック!

<詩編150>
 Praise the Lord! Praise God in His sanctuary
(神をほめたたえよ!神の聖所で、神をほめたたえよ。)

<詩編134.2>
 Lift up your hands in the sanctuary, and praise the Lord.
 (聖所に向かって手をあげ、主をたたえよ。) 新共同訳『聖書』より

 なんや〜歌詞そのまんまですね。
 
 またこの歌の中では、カート・カーがリードでセリフを挟みますが、中ほどのセリフ、
"Com'on, clap your hands, all ye people
And shout up to God with the voice of triumph"
は、同じく詩編の47.1
O clap your hands, all ye people;
shout unto God with the voice of triumph. (King James Version Bible)
のところから採ったものでしょう。

 この詩編の聖句は、旧約聖書の中のことだし、具体的な神殿のサンクチュアリ (聖所)のことを指しているはずですが、以前、亀渕友香さんがこの歌の日本語版を舞台で歌っていらっしゃる時、
 「私たちがこの歌を歌う、今、この場所が聖なる場所、サンクチュアリ!」と声をかけているのを聞いて、なるほどと思いました。教会でもどこでも、自分がゴスペルを歌えば、もうそこがサンクチュアリ。キッチンでも道路の真ん中でも、世界の中心でも(笑)・・というところだと思います。

 私は、個人的にサンクチュアリを「私たちを包む,聖なる神の愛の護りのシェルター」の ように,空間的?にとらえて歌ってましたが・・。
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graceshinkai at 10:58|PermalinkComments(14)TrackBack(0)