November 2006

November 26, 2006

Hail Holy Queen (その3)歌詞に出てくる天使たちとDalon Collins

Gospel Soup (28) Hail Holy Queen (その3)歌詞に出てくる天使たち

 11月13日の当ブログHail Holy Queen (その1)で、Hail Holy Queenの歌詞・訳をupし、その2で、歌詞のルーツを探り、このシリーズも3回目。もう、蛇足みたいな話ですが、今回は♪Hail Holy Queenの歌詞中に出てくる

 Triumph all ye cherubim(ケルビム天使、汝ら皆 勝利を祝え)
 Sing with us ye seraphim(セラピム天使、汝ら 我らと歌え)

 のところの、2種類??の天使たちについて書きます。
 
 cherubim:ケルビム。智天使。英語の発音はチェラビム cherubの複数形
 seraphim:セラピム。熾天使 英語の発音はセラフィム
 
 聖書には神の使いとして天使がよく出てきますが、ケルビム(チェラビム)天使は旧約聖書に、かなりよく出てきます。エデンの園では、アダムとイブが追放されたあとに、炎の剣を持って命の木の番をしたり、神殿で、聖所(サンクチュアリ)から続く至聖所に置かれた契約の箱を守る役割もしてました。
チェラブ天使
 まるでセコムのガードマンのような天使なのに、現在は、かわいい天使像の代表格になってます。代表格になってます。
 
 ケルビム(チェラビム)は、ベートーベンの第九にも
Und der Cherub steht vor Gott. (ドイツ語)
And the cherubim stand before God.(英語)のように、ご登場なさっておりますよ。続きを読む

November 19, 2006

ライブのハシゴ:SOUNDS OF BLACKNESS→新井深絵さん

Gospel Soup (27) ライブのハシゴ

 今回は、Hail Holy Qeen(その3)を書くはずだったけど、今日はそんなもん、書いてられますかいな。

 なぜなら昨夜、予想もせずに素敵なライブを二つもハシゴ鑑賞してしまったから!
 ライブを1日に2件なんて、人生初めての経験ですわ。感動が冷めないうちに書いておきます。
 
 まずは大阪ブルー・ノート♪での、SOUNDS OF BLACKNESS(サウンズ・オブ・ブラックネス)のライブ。
Sounds of Blackness


 当初、忙しくて行けないなあと思っていたのですが、先週「予約した券が余っている」と、Kateさんからお話をいただき、これは逃してはいけないっと、急きょご一緒させていただきました。(お誘い、本当にありがとうございました。まとめて予約をしてくださったというEverlasting JoyのBeeさんも、ありがとうございました。続きを読む

November 17, 2006

Hail Holy Queen(その2)あのラテン語の秘密

Gospel Soup (26) Hail Holy Queen(その2)あのラテン語の秘密

前回のブログで、この歌の和訳を掲載したので、今回はその続きで、歌詞のルーツを探ります。
Hail Holy Queen デロリス2
ゴスペルの歌詞ルーツ探検隊(女性隊員1名)は、今日も行く。
どこへ?図書館へ。


<マリア崇敬>
 この歌の元ネタ探検前に、少しお勉強(私が)。
 この歌の元歌は、ラテン語のSalve Reginaという聖歌でした。
 でも、歌詞の世界観は、カトリックのことを知ってないとちょっと難しいですねえ。続きを読む

November 13, 2006

Hail Holy Queen(その1)歌詞・訳

Gospel Soup(25) Hail Holy Queen(その1)歌詞 訳 

 いいかげん映画『天使にラブソング』の話題はもうやめようと思っていたのですが、googleとかyahooの検索エンジンを経て、こちらのブログに来て下さる方の多くが、この映画関係の曲の歌詞や訳を探しておられるようなので、少し整備しようかと思いまして♪

 というわけで、今回は♪Hail Holy Queenの「その1」と称して、歌詞と訳+おまけの英単語帳付を先行up。次回はラテン語部分の元歌トリビアをお届けします。

Hail Holy Queen デロリス この曲には楽しいラテン語の部分があるのですが、もともとの映画のサウンドトラックのCDの歌詞カードに印刷されているラテン語が間違っていたんですね。だから、ネットや楽譜でこの歌詞をみても、ラテン語のところのスペルが、もう見事にあちこちバラバラ(アメリカのサイトでも日本のサイトでも)。
 
 ですからそれらの間違ったスペルで、当初図書館に行ってラテン語の辞書を引いても、なかなか単語が探せなくって、いやあ苦労いたしました。続きを読む

November 09, 2006

ドニー・マクラーキンとブッシュ大統領

Gospel Soup(24) ドニー・マクラーキンとブッシュ大統領

 アメリカの中間選挙の選挙結果が、開票されつつあります。
ブッシュ大統領のイラク政策の批判票もあり、下院は民主党が巻き返し、上院は両党拮抗。

 凋落の感があるブッシュですが、おそらく今回の選挙でも、そのブッシュの共和党側を応援したであろうゴスペル・シンガーがいます。

 それはドニー・マクラーキン(Donnie McClurkin)
Donnie with Bush
 
 昨年の写真ですが、この写真の出所は、ホワイトハウス。
 向かって左はじの、顔が隠れちゃってるのが、ドニー・マクラーキン。
 
 2005年6月のブラック・ミュージック月間に、Donnie McClurkin、Mary Mary、Smokie Norful, Teresa Hairston(右端Gospel Todayの編集者)がホワイトハウスに招待され、ブッシュ夫妻たちの前でゴスペルを披露した時のものです。

(ちなみに、これは毎年恒例の行事で、今年2006年のブラック・ミュージック月間に、ホワイトハウスにお呼ばれしたのは、BB KIng。
 2004年は、ニューオーリンズのジャズグループと生徒たちでした。)
 
 というわけで去年はドニー・マクラーキンも、ブラックゴスペル歌手の代表として、ホワイトハウスに招待されたわけで、これはこれでおめでたい話なんですが。
 
 う〜ん。この写真とは直接関係はないのですが、ドニー・マクラーキンとブッシュ大統領の関係に関しては、微妙〜にちょっとひっかかっているところがあります。続きを読む

November 03, 2006

ブルックリン・タバナクルの女性ディレクター:キャロル・シンバラ(その2)

Gospel Soup (23) ブルックリン・タバナクルの女性ディレクター:キャロル・シンバラ(その2)

 ブルックリン・タバナクル・クワイヤ 総勢275名。うーん壮観ですね。ブルックリンタバナクル
 
 この荘厳なクワイヤの元締め(ヤクザじゃないっつの)のキャロル・シンバラ(Carol Cymbala)さんが、ブルックリン・タバナクル教会に夫と共に赴任したときは、楽譜も読めなかったというびっくり話は前回書きましたが、その彼女の著作です。
 
 ニューヨークのどまん中のおんぼろ教会にやって来たシンバラ夫妻。教会員もわずか、音楽的にド素人の人々を集めてクワイヤを立ち上げて、それが現在では上の写真のような大所帯になり、グラミー賞6回。

でも、この本は、その「サクセス・ストーリー」じゃないんですね。
 
 いや確かにサクセス(成功)はしてるんですが、サクセスという結果に重きを置いた本ではなく、サクセスに至る「困難を乗り越える過程」と「信仰」に重きをおいた「チャレンジ・ストーリー」「宗教本」です。
 
 決して単なる「音楽本」ではありません。キャロル 著作
 
「とこしえに真実なお方―主の御手にゆだねて―」
  -He's Been Faithful- キャロル・シンバラ著、須賀真理子訳
 

 


♪He's Been Faithfulというのは、ブルックリン・タバナクルが歌っているひとつの曲のタイトルにもなっています。がっ、あまりにストレートな本の題名を見て、ギョギョギョと「ひいてしまった」ノンクリスチャンの方(私も含めて)が、たぶん日本に、30人はいるでしょうね〜(笑)。
 
 翻訳者の方を責めるつもりはなくて、確かに訳しにくいHe's Been Faithful。
直訳すると『彼(神)は、今までずう〜っと誠実であった』ということ。
誰に対して誠実であったか? 

 

まずはキャロルさんに対して誠実
彼女の家族に対して誠実
神への救いを求める全ての人に対して神は誠実。。。で、願いをかなえて下さったというあたりなんですが。
 
 いやいや、もうそれはそれは、読んでびっくり。信じられないくらい数えきれないほどの大小の困難の連続です。
 
 経済的に苦しい新婚時代。ブルックリンに赴任しても、教会員は去っていく。教会の建物はおんぼろで屋根がくずれる・・(およよ)。

 最初は誰でも希望者をクワイヤに入隊させていたら、メンバーがいざこざを起こす。女性教会員がナイフを持ってクワイヤの練習会場に乱入する。(ひえ〜っ)

 説教中の夫に銃を持った男乱入、キャロルさん自身も、逆恨みをした女性に平手で打たれる。(涙)。

 教会運営が軌道に乗っても古い教会は手狭になる。長女はグレる。キャロルさん子宮癌になる・・・。

 集まってくるクワイヤのメンバーの過去も一筋縄ではいきません。
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