リチャード・スモールウッド(Richard Smallwoodの素顔)ゴスペル関係各賞における部門の細分化

September 21, 2006

Gospel Awards2006

Gospel Soup (15) Gospel Awards 2006 

 9月18日(祝)、大阪森ノ宮ピロティーホールで開催された、Gospel Awards 2006を、見に行った。(出演したわけではない)

 今年は開催4回目の大イベント。特別審査員に亀渕友香さんがいらっしゃり、フレッシャー部門(17組)・エキスパート部門(9組)の、計26組のグループが、舞台発表を行うコンテスト形式。なんてったって26組の大人数!!こんなにたくさんのクワイヤの熱演を、一時に見られる機会なんて、めったにあるものではない。

 感動も、感想も山ほどあるのだが、特に心に残った一つのクワイヤについて書かせていただくことにする。

 昨年度最優秀賞を受賞して、今年ゲストとして招かれた
Blessing Church International
 構成員は日本在住なのだけど、お名前から判断して、韓国・台湾系などアジア出身がほとんど。出演メンバーは11名だが、通常は60人ほどの所帯らしい。

 私は、昨年初めてこのクワイヤの演奏を聴いて、そのサウンドの魅力に惹かれ、このAwardの場で、彼らの音楽をもう一度聴くのを、1年間それはそれはず〜と楽しみに待っていたのである。
 くどいけど、ず〜っと心待ちにしていたのである


 去年初めてみた彼らの舞台は衝撃だった。なんだか黒服の地味な集団(おっと失礼)が出てきたなあ・・と思ったら、各自が一本ずつのマイクを握って、アカペラでどんどん隊列を変えながら、曲が進んでいく。歩きながら歌っていても、コーラスに全然ぶれがないし、ソロをかわるがわる取る男性の歌が、みなソフトにして伸びやか。とにかく全くいやらしくなくて、謙虚な品のよさ、志の高さが歌ににじみでているのである。

 そして全体としては、何よりハーモニーの響きが美しい。金属的・直線的な響きではなく、柔らかな暖かみの中に、重層感ものびやかさもあるのである。昨年は、何ともいえないその世界に、すっかり引き込まれ聴き入ってしまった。

 何なの?これは?何がどこが他のグループと違うの?
 と、そうやってずーっと、1年間考えていたのである。

 今年も、美しいハーモニーは健在だったし、私の耳だけが特異なのではなく、一緒に行った友人が「他のクワイヤと、ハーモニーぜんぜん違うやん!」と興奮していたから、やはりそうなのだろう。

 素人考えでいうなら、発声がたぶん独特でいらっしゃるのである。西洋的なクラッシックの発声でもなく、黒人の発声でもなく、声に吐息がうまく混じっているのだ(たぶん)。それが重なりあったとき、やわらかな厚みが出るのだと思う。

 黒人特有のあの発声・声は、カッコいいし、もちろんそれがゴスペルの魅力の一つで、私も大好きである。何を隠そうこの私も、人前でこそやらないが、家ではひそかに、黒人風のフェイクやら歌い方やら、ウォウゥオウ〜イェ〜と、練習しているのであ〜る。
 
 ところが、いつも自分が歌いながら、あるいは他の日本人のゴスペルを聴きながら、「日本人が歌って美しいゴスペルとはどんなものだろうか」という事を、考え込んでしまうことも多い(えらそーに何を言うかって感じだが)。
 
 日本人グループの黒人風オォ〜イェ〜に、聴いているこちらが気恥ずかしくなる時もあれば、オリジナルの曲と全く同じ箇所で、オリジナルと同じセリフのシャウトが入るのを聴くと、「そこまで、コピーせんでもええやん」と、違和感を覚える時もある。
 
 もちろん曲にもよるし、いろんな歌い方があってしかるべきなのだが、Blessing Church Internationalのクワイヤを見ていると、アジア人が、そして日本人が、日本人としての美しいゴスペルを歌う時のひとつの形やヒントがあるなあと思ったのである。

 Awardの帰り道、Blessing Church Internationalのサウンドを心で反芻しながら、もう15年近く前に、グルジアの合唱団が来日して、その歌声を聞いた時の感動をふと思い出していた。

 彼らは、ビブラートを全くかけない、実に直線的なビンビンした伝統的な発声をする。客席で聴いていると、合唱団全員の額から、まるでビーム光線みたいな声が出てきて、それが幾重にも重なってうねりを作り、これにも、私は完ぺきにノックアウトされた。

 当時、グルジアは旧ソ連邦下にあったのだが、いわゆるロシア的な音楽とは全く違った歌声の響きや、民族衣装の美しさに、その土地固有の伝統の力強さや美しさを、ひしひしと感じたものだ。

 日本におけるゴスペル人口はうなぎのぼりらしい。そしてまだ発展途上のジャンルでもあるのだろう。

 日本人が歌う日本人としての日本人らしい美しいゴスペル(歌詞は英語でも日本語でも)を、探してみたい歌ってみたい。Blessing Church Internationalを見ていて切にそう思った。

 あらまた、偉そうなことを書いてしまった。明日がレッスン日だというのに、私はまだ練習曲の音程すらとれてないぞ(涙)。今日は徹夜か????




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この記事へのコメント

1. Posted by おけいこ   September 22, 2006 03:13
こんばんは〜。いつもこちらでGospel知識をつけさせて頂いています。感謝!
これからも楽しみに読ませて頂きます♪

私も今頃練習しています(^_^;)

2. Posted by emizo   September 22, 2006 05:07
なるほど〜〜最優秀賞を獲ったのだから、Gしんかいさんのように感動した人が多かったのでしょうね。
「黒人のおっさんになれ」とよく言われますけど、なんか違和感があるんですよね〜〜。模倣から入るのもあり、だと思うんです。でもそれって個人芸では通じけど、集団ではどうかな。集団の強さというのは、そこにいるみんなの根っこが一緒みたいな、そしてそれが嘘ではない、本物であることの強さかな〜と思います。

>日本人が歌う日本人としての日本人らしい美しいゴスペル(歌詞は英語でも日本語でも)を、探してみたい歌ってみたい。

うん、うん、そのとおり。日本語の入ったゴスペル曲、私も好きだもん、すごく難しいけど。
3. Posted by しんかい   September 22, 2006 05:22
>おけいこ様
ブログ読んで下さり、ありがとうございます!こちらこそ感謝です。あらま〜おけいこさんも実は、「レッスン前日夜集中型」なんでしょうかっ?
心強い??です。

>emizo様
emizoさんが書いてくださった
>>集団の強さというのは、そこにいるみんなの根っこが一緒みたいな、そしてそれが嘘ではない、本物であることの強さ>>>
う〜ん、しびれるフレーズですわ。心に留めさせて
いただきます。

4. Posted by べちゃん   September 22, 2006 08:44
勉強になります。聞いてみたいわねぇ、ぜひ、それは。テレビでやるときなど、情報キャッチしたら教えてくださいね。

異国がオリジナルなものを日本人がする、というのはそういうジレンマがあるのねぇ。
5. Posted by しんかい   September 22, 2006 14:59
>べちゃん様

Blessing Church Internationalさんのライブや活動情報は、私も知りたいと思っているので、またお知らせします〜♪
6. Posted by forgive   September 22, 2006 21:33
すごく興味そそられます。
是非是非聞いてみたいですね。
私も日本語ゴスペル大好きですが、難しいし
人によっては、引いちゃう人もいるみたいですね。

それにしても、しんかいさんの文章で
そのクワイヤの音の厚みが、この場まで届きそうです。

よいものを読ませて下さってありがとうございます。

7. Posted by しんかい   September 23, 2006 05:03
>forgive様
こんにちは。そうですね〜。日本語だと「聴いてるほうが、歌詞がわかりすぎて、ベタになる」という妙な現象がおきることもありますよね。難しいところです。。
8. Posted by まる   September 24, 2006 20:44
私も見に行きました。すてきでしたねー
夏は涼しく冬は暖かい、という感じの歌声でしたね。
滝のそばの霧のように、ひろがって会場を包み込むような〜。
あの方々の中にある伝えたい世界が伝わってきているのでしょうね。

>声に吐息がうまく混じっているのだ(たぶん)。

前にテレビのミュージックフェアでコブクロさんが絢香さんの歌声を
「声帯をでていく風の量が人より多い。それを躊躇せずに出しているから言葉に説得力がある。」とほめていたのを思い出しました。

黒人の大腰筋は日本人の3倍太いそうですね。そもそも同じに歌おうとしても無理でしょうが
真貝さんのブログを読んで、日本のよさもっと気付いて、生かせたら…と考えさせられました。ああ、滝を見に行きたい。
9. Posted by しんかい   September 24, 2006 23:11
>まる様 
本日も、「まるちゃんワールド」なコメントありがとうございました。

>滝のそばの霧のように、ひろがって会場を包み込むような>
ええ、おっしゃる通り!そんな歌声でしたね。きっと滝のそばの霧のように、マイナスイオンも出てたかもよ〜(笑)。

黒人の大腰筋の話は初めて知りました。大腰筋ってお尻のところの筋肉?ですよね。ぜい肉なら私も人並み以上なんですが(ToT)。
10. Posted by まる   September 25, 2006 07:09
大腰筋はお尻ではなく、これがゆるむと下腹ポッコリになってしまうという、今話題のインナーマッスル(体の中にあって外からは見えない筋肉)です。図書館で借りた発声法の本には発声に大事な筋肉と書いてありました。大腰筋を鍛えれば一石二鳥!
11. Posted by しんかい   September 25, 2006 12:30
>まる様
はいっ!大腰筋、調べて勉強させていただきました。駅の階段は、エスカレーター使わず駆け上がってに仕事に行くようにしますわ(^o^)/。
12. Posted by bigmama   September 25, 2006 15:22
はじめまして。突然のコメントで失礼致します。
いつも楽しくブログを拝見させて頂いております。
私が作成した[Big Mama’s Planet annex=磯村純衣がゴスペルを語る=]というサイトにこちらのブログ記事を紹介させて頂きました。
事後報告になり申し訳ありませんが、宜しければ今後も是非[Big Mama’s Planet annex=磯村純衣がゴスペルを語る=]を一緒に盛り上げていただきたく、コメントを残させて頂きます。
残念ながらご協力いただけない場合には大変お手数ですが下記URLより『編集員削除希望』の旨をご連絡ください。
どうぞ宜しくお願い致します。

サイトURL:http://www.edita.jp/bigmama
editaトップページ:http://www.edita.jp/
editaに関するお問合せ:http://www.edita.jp/admin/question_form.php
13. Posted by しんかい   September 25, 2006 21:57
>bigmama様
このたびは、ご連絡ありがとうございます。実はbigmama様の歌声は、拝聴したことがございます。
今年からワールドワイドにご活躍のご様子。今後とも、よろしくお願いいたします。
14. Posted by bigmama   September 25, 2006 22:59
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。

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