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September 19, 2008

ゴスペル・アウォーズ2008

Gospel Soup (77) ゴスペル・アウォーズ2008

 9月15日(敬老の日)、日本最大級のゴスペル・コンテスト<GOSWEL AWARDS 2008>、大阪森ノ宮に見に行って来ました!お昼の12時開演で、終演はなんと、夜の7時 

 フレッシャー部門17クワイヤ、エキスパート部門11クワイヤ、ゲストクワイヤ1。全部で29クワイヤが勢ぞろい!

 いっきにこれだけたくさんのパフォーマンスを、見させていただくと、もう〜本当〜に、みーっちり勉強になります。心を動かされたり、ゴキゲンになったり、我が身を振り返って冷汗をかいたり、ハーモニーにうっとりしたり、惜しみない拍手を送ったり、例年のこととはいえ、今年も実りの多い7時間でした。
 
 そして、アウォーズに出場したわけでもないのに、今年私は、1日経っても、2日経っても、3日経っても、ずーっとある歌声が耳から離れませんでした。
 

 その歌声の主は、最優秀クワイヤを受賞された Everlasting Joyさん。関西では特に、そして全国区でも超有名クワイヤですね。てっきりファンクっぽいレパートリーを歌われるのかと思ったら、意外なことに1曲目は黒人霊歌(スピリチュアル)のメドレーでした。もう!のっけのアカペラから、ノックアウトされました。
 
 そりゃもう、おそろしく巧い!とか、ハーモニーがきれい!とか、ブルースブラザース?みたいな男性陣がカッコ良かったとか、素晴らしかった理由はたくさんあるのですが、それだけではない「この納豆みたいに『後をひく』感動の理由は何なんだ〜?」と、自問自答した数日でした。
 
 う〜ん。う〜ん。何なんだ?これは?
 
 つたないコトバで語るなら、歌を越えた歌以上のものを、私も他の客席の方々も感じていたのでしょう。

 一人一人が歌っていらっしゃるのだけど、各自のエネルギーが放散・拡散したのではなくて、濃密なエネルギーの固まりとなって、ハーモニーが弾丸となって、「これで、どや〜っ!」と、客席を打ち抜いたような感じ。
 
 珠のように磨きあげられたハーモニー
 結成10年の中で培われたメンバーさん同士の互いの信頼、神様への信頼、ヨコ糸とタテ糸が乱れることなく張り巡らされた紐帯が、まるで目に見えるようなステージでした。
 
 歌われた曲がコンテンポラリー・ゴスペルではなく、黒人霊歌(スピリチュアルズ)だったというのも、逆に新鮮だったのかもしれません。

 これらの歌を最初に歌った、歴史に決して名を残すことのなかった奴隷の黒人たちも、自分たちの歌った歌が、百数十年の時を経て、海を越えて、日本という土地で新たに花開いたことを、さぞ喜んでいることでしょう(きっと、天国でゴスペル・アウォーズみながら、『この日本の奴ら、何てカッコいいんだ。やるじゃないか!』と、足踏みならし、クラップしながら、やんややんや!大喜びしたに違いありません)。
 
 それに、う〜ん。やっぱり、古い黒人霊歌はいいなあ。

 シンプルだからアレンジが自在という音楽性だけではなく、連綿と受け継がれ、時代の篩(ふるい)にかけられ揉まれて、人生の背中を押し、生き残った歌の持つ重み。時代も、国境も、言語も、ロジックも軽々飛び越えて、こうやって現代の私たちの心をも、揺さぶってくれる。
 
 う〜ん。それにやはり、古い黒人霊歌の魅力もう一つの理由は、当時の作り手・歌い手に「作為がない」ことでしょうね。

 黒人霊歌は、救いを求めたり、嘆きの中に希望を見いだしたり、歓びであったり。時にバイブル・ストーリーの口伝として、また黒人同士のコミュニケーションとして・・・・いずれにせよ、純粋な、魂の内的希求の発露として歌があったんですよねえ、きっと。だから、イラヤシくない。
 
 この歌をヒットさせようとか、マーケティングとか、無理やり作った風の、なんかこうイヤラシいゴスペルではない、一種の愚直さ。シンプルだけど陳腐にならないのは、単純な歌詞の向うにある複雑さを、私たちにも、垣間見させてくれるからだかもしれません。
 
 ああ、こうやって書いてみたら、ようやく自分が、感動した理由も、黒人霊歌に惹かれる理由もわかってきました。
 
 今回はEverlasting Joyさんのおかげで、色々考えることができました。ありがとうございました。
 
 黒人霊歌(スピリチュアル)は、もう数あまたのクワイヤに歌われていますが、ちなみに私の好きなスピリチュアルをたくさん歌っているグループは、
 The Golden Gospel Singers というクワイヤ(それにしても、よくありがちな名前だなあ)。メンバーは若くて、アレンジも現代風でカッコイイけど、黒人霊歌の原曲のそれらしさも、残っていると思います。
 
The Golden Gospel Singers
 
(トップ画面から、英語<アメリカの旗>をクリックすると、enterできます)

 A Cappella Praise


 またEJさんが、もとになさったスピリチュアル・メドレーは、たぶんこちら。Sounds Of Blacknessの、Time For Healingというアルバムの中の13曲目、Spiritual medley。

Time for Healing


 

graceshinkai at 16:23│Comments(16)TrackBack(0)ゴスペル雑記帳 

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この記事へのコメント

1. Posted by emizo   September 19, 2008 17:42
濃密な7時間だったんですね!
黒人霊歌メドレー、きっと歌ったことのある曲もあるのでしょうね。

Everlasting JoyさんのHPを拝見して、気になったのがグループ紹介のページにある「活動に関する統一見解」というところ。ここまで意見を統一させることは大変だと想像できます。プロなんですね。

なんのためにそこにいるのか、なんのために歌うのか、、、それを考えると悩んじゃう今日この頃です
2. Posted by shinkai   September 19, 2008 19:27
☆emizo様
リンク先も、しっかり読んでくださり、ありがとうございます。

>ここまで意見を統一させることは大変だと想像できます。プロなんですね。

このクワイヤのリーダーBee芦原さんの、強いリーダーシップあってのことと、思いますが、でもBeeさん語録(←勝手に命名)の中に、「それぞれのクワイヤはそれぞれの役割がある」という意味のお話があって、とても納得しています。

私たちのグループは、母親たちがゴスペルを通じて元気になる、、という役割もあるしね。いったん、舞台に立ったら、やっぱりお客さんに歌そのものを、楽しんでもらうという目的もあるし、私たちが頑張っている姿をみて、何らかの感情を持ってくれたら、もっとうれしいし

>なんのためにそこにいるのか、なんのために歌うのか、、、それを考えると悩んじゃう今日この頃です

え、そうなん、悩んではったの?えーっと、えと、まずは、今度一緒にごはん食べましょう〜
3. Posted by りえ   September 19, 2008 20:49
お疲れ様でしたー,ご一緒できてうれしゅうございました.
ほんとにただただすごかった.
EJさんの歌を聴いたとき,私はクリスチャンではないけど神に感謝したよ.
ゴスペルに出会えてよかったなと心から思いました.

そしてまた,しんかいさんがこうやって文章にしてくれて探求してくれるおかげで,自分の中のもやがどんどん晴れていく.

いつもありがとね
4. Posted by とめちゃん   September 19, 2008 22:16
EJさんのパフォーマンスもすごいけど、それを
描写するしんかいさんの読みの深さにも驚かされました。
Sound Of BlacknessのMedley、聴いてみたいです。
ご紹介のSingerが唄われているのは「ジェリコ」ですね。
受賞したどこかのグループが選曲してはりましたね
5. Posted by Shogo   September 19, 2008 22:48
グレースさんの文章は、リアルタイムの感動と、その後しばらく続く感動の余韻における、感覚と思考と感情の軌跡を見事にとらえ、表現していますよね。それも、読者を楽しませながら。いつもそうですが、今回もまた力強く素晴らしい文章で、ノックアウトされました。お陰様で、ゴスペル・アワーズには行けませんでしたが、Everlasting Joy さんのサウンドは聴けないまでも、その核の部分に触れさせていただけましたこと、ありがとうございます。
Everlasting Joyさん、一度生で聴いてみたいです。
6. Posted by shikai   September 20, 2008 05:57
☆りえ様
ほんと、長丁場お子様連れで大変だったでしょうけど、一緒に行けてよかったわ〜

>EJさんの歌を聴いたとき,私はクリスチャンではないけど神に感謝したよ.
ゴスペルに出会えてよかったなと心から思いました.

↑なんか、これってゴスペルの真骨頂だわね〜♪そういう思いを、あの日客席の一人の人が持ったと、EJさんが知ったら、やはり喜んでくださるでしょう。

Sounds of blacknessの来日も、楽しみにしてます。できればまたご一緒しましょ♪
7. Posted by shinkai   September 20, 2008 06:01
☆とめちゃん様

>EJさんのパフォーマンスもすごいけど、それを
描写するしんかいさんの読みの深さにも驚かされました。

いえいえ、本来ならゴスペルの素晴らしさは、理屈や文章ぬきで、歌で伝えるのが本筋なんでしょうけど、私は歌で伝える技量がないので、文章をこねくりまわして、自分なりの思いをひねりだしているような(笑)。

>ご紹介のSingerが唄われているのは「ジェリコ」ですね。受賞したどこかのグループが選曲してはりましたね

はい。この歌も力強くて、バイブルストーリーそのまんまな名曲で好きです。3年前のAwardsでもメドレーの中にこの曲を混ぜたクワイヤさんがいらっしゃいました。いい曲はこうやって伝わるんですねえ。
8. Posted by shinkai   September 20, 2008 06:12
☆Shogo様
なんか、ホメ殺しにされたようなコメント(笑)、ありがとうございます。

>Everlasting Joyさん、一度生で聴いてみたいです。

あ〜EJさんは、ついこの前9月の初頭に、他のクワイヤさんと合同で、東京公演をなさってましたよ。お知らせすれば良かったですねえ。すみません。

大阪での公演でも、東京から新幹線に乗って、聴きに来る方がいらっしゃるという話ですが、1年に1回くらい?は東京でも、歌っていらっしゃるようですから、きっとまた歌声を、聴かれる機会もおありでしょう。
9. Posted by machizou   September 20, 2008 17:02
夜な夜な録音を聴いては感動が蘇ってきます。
ご一緒できてよかったわ。
いつもレッスンなどで録音するけど・・・機械は正直なのかもしれないけど生で聴いた臨場感や空気感?は録音できてない。
これは私や行った人間でないと実感できないよね。
それぞれのクワイアに出会えてよかった。
いい刺激を頂いたパワフルな一日でした。
10. Posted by kim   September 21, 2008 01:31
ゴスペルを歌いはしても無知な私は、りか様の隣で堪能できたこと感謝です。りか様が「このグループは上手やけど残念なことに子音がいつもはっきりしないのよね〜」って言って、なるほど〜〜って思ってたら同じ事を審査委員長の教授さんが言ってはった。。。すんばらしい。

machizouさんの言われてることわかる。

聴いてて勝手に涙が流れるの。そうゆう歌を歌えたら幸せだね〜。上手下手ではなくとも。

りえさん、machizouさん おこちゃん頑張ったね。
この場をかりて、ご一緒させて頂きありがとうございました^^ M口くん、君の気持ちもよくわかった。君の純粋さまっすぐさに乾杯(って古)
11. Posted by shinkai   September 21, 2008 06:29
☆machizou様

>聴いた臨場感や空気感?は録音できてない。

うん。本当にあの「場」にいないと体験できないことがたくさんあるよねー。そう思うといっぱいライブに行きたい!と思うのだけど、なかなかそうも出来ないのが、子持ちのシュフの・・・なところ。

>それぞれのクワイアに出会えてよかった。

ええ。楽しいクワイヤさん、素敵なボーカルさん、たくさんいらっしゃいましたよねえ。ほな、ひとまず私たちも11月にむけて、頑張りまっしょ
12. Posted by shinkai   September 21, 2008 06:36
☆kim様
わはは〜。客席の内輪の会話まで再録されてしまいましたわ(笑)。いや、客席からみると、自分のことは棚にあげて、色んなこと感じますねえ。普段の私たちのお客さんでも、色々思ってはるんでしょうね(おお、コワ!)。

>M口くん、君の気持ちもよくわかった。君の純粋さまっすぐさに乾杯(って古)

そう!M口くんの感受性と、芸術的感性は、タダモノではないと、ふんでいます。じっくり話を聞けば(←ココがポイント)、M口くんは、実にいつも深〜くゴスペルを愛して、理解してるのが、よーくわかります
13. Posted by たけよし   September 21, 2008 23:46
初めてコメントします。
Shinkai様の感想、すばらしいですね。
先週のことなのに、この記事を読んでまた感動がよみがえってきました。
私は今年の2月にEJのすごさにノックアウトされてSMSに入ったわけですが、今回もすごかったです。
H先生とSMSのメンバーの方と前のめりになって聞き入っておりました。
が、kimさんのコメントを見て
私もShinkai様の隣で解説聞きながらステージ見たかったわ。と思いました。
machizouさん、私も夜な夜な録音聞いて感動しとります。耳が肥えていないおかげか、録音でもEJの歌声には鳥肌立ってます(^^;
14. Posted by shinkai   September 22, 2008 10:13
☆たけよし様
初コメントありがとうございます。たけよし・・・って一瞬、私の知り合いの男性にそんな名前の人いたっけ〜??と、ドキドキしてしまいましたが(笑)、たけ・よしさんなのですね。SMSさんは、衣裳も今回素敵♪♪〜雰囲気もよくて、長い間奏の時、なんかBeeさんが、指揮で何かを伝えられたのでしょうか?間奏のあとから、すうっと声が伸びた感じが不思議でした。

>EJのすごさにノックアウトされてSMSに入ったわけですが、今回もすごかったです。

きっかけはEJさんのビルボードライブだったんですか。こうやってEJさんは、あちこちで観客をノックアウトして、ゴスペル人口を深く・広くしていっていらっしゃるのですね。あ〜、私も時間の都合があえば、SMSとクワイヤかけもちしたいくらい。ちょっと今はとても無理ですが〜(泣)。
15. Posted by みみ   October 06, 2008 16:37
久しぶりに読ませていただきました。
私もアウォーズに最後までいましたので、あの感動と心地よい疲労感を思い出しました!
来年は是非私も出るぞぉ〜って、勝手に意気込んでます。
また時々遊びに来させていただきます!
16. Posted by shinkai   October 07, 2008 10:20
☆みみ様
ご来訪いただき、わざわざコメントまで書き込んでくださり、ありがとうございます〜
みみさんも、あの会場にいらしたのですね。

>来年は是非私も出るぞぉ〜って、勝手に意気込んでます。

それは!すごいです。ご出演が決まったら、是非クワイヤ名を教えてください〜。来年会場から応援いたします♪

それでは、またブログに遊びにいらしてくださいませ。

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